長い丸竹を割る場合は、竹細工の作業場に捨てられている竹の先端に近い、小さい丸竹を利用する場合や、市販の竹割り金具を利用する場合、あるいは竹包丁で割る場合など、いくつかの方法があります。昔の職人は、小さい丸竹を20cm程度の長さに切断してから、長い丸竹の切り口に差し込み、丸竹のウラ(先端)からモト(根元)に向かって、手で押し上げるようにして割っていたようですが、素人では、少し手間取ることや怪我の心配があります。そのため、私は専用の竹割器を使用しています。ホームセンターなどで販売されている竹割器は四つ割りと六つ割などがあり、サイズも大小あります。現在、籠作りで使用している竹割器は重さ1.7kgの四割り専用です。サイズは内径12cm(1片の対角5.5cm)で、かなり大きいです。小さいサイズの竹割器では、大きな丸竹を割ることができませんが、大きいサイズであれば、小さい丸竹も割ることができますので、道具の一つに揃えるのであれば、大きいサイズを求めた方が得です。手持ちの竹割器では、口径30cm程度の太い孟宗竹でも1分以内に、割ることができます。この金具は、熊本の川尻町の鍛冶屋で20年前に、物珍しさもあって、なんとなく買い求めたものです。そのため、当時はこの道具の役割もよくつかめず、10年近く倉庫で眠っていました。竹細工を始めてから、この金具の存在価値を知った次第です。一度使ってみると、簡単に、しかも安全に割ることができるので、今では必需品となっています。この道具では、丸竹を四分割できるため、竹の半分は長い編みヒゴの素材として、残りは立竹と縁輪の素材に利用できます。そのため、一本の丸竹がを無駄なく使用できることになりますので、精神面でもプラスになるようです。
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竹割器
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